Interview

お互いにわかりあえるという素晴らしさ

日中活動センターさくらそう
サービス管理責任者

2004年 入社

声なき声を確かな支援につなげる


担当している業務について教えてください。

「さくらそう」で「サービス管理責任者」を務めています。「さくらそう」が行っているのは生活介護という事業でして、生活介護事業を提供する施設では「管理者」と「サービス管理責任者」を置くことが義務づけられています。利用者さんに対して、職員一人ひとりが自分の考えだけで支援をすると、方向性がバラバラになってしまいますよね。きちんとした支援をするには計画が必要で、これを「個別支援計画」といいます。計画そのものを作ったり、実際に計画に沿って支援するときに全体を管理したりする責任者です。

サービス管理責任者としての仕事にはどんなものがありますか?

一番は、利用者さん一人ひとりの「個別支援計画」を立てることです。利用者さんの「こういう風に暮らしたい」、「こんなことがしたい」という想いを聴き取り、その為にどう支援をするかを計画としてまとめます。中にはコミュニケーションが難しい方も多く、想いや希望を引き出すことがとても重要です。それを他の職員と協力して行います。

また、職員への支援方法の共有や、相談助言等、支援に関する取りまとめ役です。
他には、相談支援員さん主催の支援会議に出席します。支援会議には、利用者様ご自身、ご家族、各事業所が参加します。障害福祉分野では、支援方針が支援者だけで決まることが多かったんですが、ここ数年は「本人主体」が大切にされています。利用者さんご自身も、最初は会議に慣れなくても、回を重ねるごとに「自分の話をしているんだ」と変わっていかれますね。お話されない方でも、きちんと分かっていますし、自分のことは自分で決めたいと思います。


新しい利用者様がみえる場合は、どのようなお仕事の流れになりますか?

ここには学校を卒業後に来られる方が多いんです。進路を決めるときにこちらに通うことを希望された場合、まず実習に来ていただくための面談をします。その上で、実習当日は当施設で1日を過ごしてもらい、通うかどうかを決めていただくんです。実際に通うとなったらもう一度面談をして、そのときにご本人がどういうふうに利用したいかという希望や、介助方法についてアセスメント、聞き取りをします。その上で個別支援計画を立てて、関係する職員とカンファレンスを行い、申し送りをします。一連の業務は、管理者と分担して進めています。学校とのやりとりは管理者が担当することが多く、アセスメントの整理などは私の仕事です。


「長く続けられる仕事」としてヘルパーの資格を取得


野の花舎に入社したきっかけを教えてください。

以前は事務職をしていました。請求業務やチラシ作成など今の仕事とはまったく違います。「長く続けられる仕事をしたい」と考えて、ハローワークの制度を利用してヘルパーの資格を取りました。その際にちょうど、野の花舎の立ち上げメンバーから声をかけていただき、働き始めました。

未経験から福祉の仕事に関わってみていかがでしたか?

最初はわからないことだらけでした。障害福祉に携わったこともなく、知識もない状態でした。周りの職員もほとんどが未経験。それでも天気の良い日は散歩や買い物に出かけたり、皆でゲームをしたり、歌を歌ったりして過ごしていました。難しく考えず、利用者さんが楽しめること、笑顔になることを活動に取り入れました。

活動を考えたり、工夫したりすることは好きなので、毎日大変でしたが楽しかったです。利用者さんから学ぶことが多かったですね。


最初は通じあえなくても、お互いにわかりあえる瞬間がある


仕事をしてきたなかで、うれしかったことを教えてください。

利用者さんは言葉でのコミュニケーションが難しい方も多いので、気持ちをくみ取るのが難しいです。どんなことを考えているのかだとか、どうしてほしいだとか。でも、ご本人は伝えたいしわかってほしい。そうやって日々やりとりしていくなかで、「この方はこういうことを伝えたいんだ!」とわかったときは大きな喜びです。そういう答えは、一人では発見できないこともあります。いろいろな考え方や立場の職員がいて、それぞれがその利用者さんの情報を持っています。それが集まって、「もしかしたらこうじゃない?」とたどり着くのが、小さなことなんですけれど、すごいなと。

それがこの仕事のいいところでしょうか?

支援にはいろいろな人が関わることが重要だと思っています。私自身が直接関わったことじゃないんですけれど、こんなことがありました。ある利用者さんがバレンタインデーにチョコレートを買ったんですね。でも、誰にあげたいのかがわからなくて。その方はお話しするのが難しい代わりに、手を「ぎゅっ」と握るのが「はい」の返事なんです。でも、お母様が家で聞いても、ここの職員が聞いても「ぎゅっ」としない。そうしたら、違う事業所のヘルパーさんが「もしかしたらお母さんにあげたいんじゃない?」と電話をしてくださって。聞いてみたら、それが正解だったんです。だからお母様が聞いても答えなかったんだ、とみんなで納得しました。そういうことがけっこうあるんです。買い物に出かけて、普段は買わないようなものを買いたいと言われて、「どうしてかな?」と思っていたら、実は家で話題に出ていた、なんていうこともあります。気持ちがつながったとき、お互いにわかりあえたときは感動がありますね。

利用者さんの家庭やほかの事業所との連携も必要となると、お仕事は重要ですね。

つなげていくことは大事ですね。そういう立場だというのは意識しながら仕事をしています。


「自分には難しいかも」と悩んだことも


仕事でつらかったのはどんなことですか?

随分前のことなんですけれど、サービス管理責任者という立場で、自分の知識や経験が足りないんじゃないか、能力が不足しているんじゃないかと悩んだことはあります。どうしたらいいのかわからず、自分には難しいのかな、と。


それはどうやって解決したのでしょうか?

社会福祉士の資格を取ろうと考えました。社会福祉士の受験には受験資格が必要なので、それを得るために1年半ほど通信教育で勉強しました。お金も時間もかかることなので、大きな決心が必要でしたね。レポート作成のほか、スクーリングといって、同じように通信教育を受けている方と一緒に研修することもありました。そこで「答えは本人が持っているもので、支援者はそれを引き出す役割」ということを学んだんです。それで気持ちが楽になりました。それまでは、私自身が答えを出さなきゃいけない、自分で支援の方法を考えなくてはいけないと思っていたので。この教えが、仕事を続けていけるきっかけになりました。仕事と子育てをしていく中で、「自分には難しいのかな」と思っていた時期にその研修を受けられて、すごくよかったですね。


プレッシャーを糧にして社会福祉士国家試験に合格!


その後、無事に合格して社会福祉士に。

家族の協力と、なによりプレッシャーのおかげです。子どもはそのとき小学生と保育園児だったんですが、スクーリングで家を空けないといけなくて、周りの協力も必須でした。家族からは「来年は協力しないからね」と発破をかけられて、そのプレッシャーもよかったですね。

お子さんはおいくつですか?

今は高校生と小学生です。下の子を出産したときは育休を取らせていただきました。

子育てや家庭と仕事の両立はどうしていますか?

子どもが小さいころは急に仕事をお休みしなければいけないこともあって、それが申し訳なかったですし、たくさん迷惑をかけていたと思います。でも、お休みしても「お互いさまだから」と職員がサポートしてくれて、周りに助けられ今まで働いてこれたと思います。仕事上の役割を満足に果たせず、子育ても中途半端になることに悩んだ時期もありましたが、今は、目の前の仕事に真摯に取り組むこと、日頃から仕事を共有したり、分担することを心がけています。

よりよい支援につなげていくために


ご自身から見て、会社の問題点や改善点はどんな部分ですか?


利用者さんも職員も少しずつ人数が増え、最初は手探りだった状況からだんだん大きくなっているので、組織として整っていない部分があります。
そこを整理していく必要がありますね。

また、職員が増えてきたことで、お互いのコミュニケーションがとりづらくなってきているな、とも感じます。
そのあたりのことも今後の課題ですね。

職員各々、日々の業務があり、話す時間を作るのは大変ですが、毎月の会議やミーティング以外にも、ちょっとした時間に話し合っています。
職員に伝えたいことは、申し送りノートを活用しています。チームワークが大切な仕事なので情報共有は大切です。


1日のスケジュール

8:45 出勤 始業は8:45です。その少し前に出勤し、事務作業をこなします。
10:30 朝の会 全員でその日のスケジュールやチェック事項を確認します。
10:40 午前の活動 事務作業をしたり、現場の支援をすることもあります。支援会議に出ることもあります。
12:00 昼食 利用者さんの介助をしながら一緒に昼食をとります。
13:00 休憩 利用者さんが横になって休んでいる間に職員も交代で休憩をとります。
14:00 午後の活動 事務作業をしたり、現場の支援をすることもあります。事務作業では支援計画を作ったり、利用者さんの情報を記録したりします。
15:15 帰りの会 その日の実績や記録を確認し、ファイリングします。
15:30 利用者さんの活動終了 ほとんどの職員が送迎に出るので、残って片づけや掃除をします。
16:30 ミーティング 夕方は事務作業のほか、ミーティングや会議も多いです。
17:30 退勤 定時は17:30です。

得意なことがあれば、新しい体験を提供できる


これから入社される新しい仲間にひと言お願いします。

この仕事では、得意なことや好きなことを活かせるんです。活動ではおやつを作ったり、創作活動をしたり、いろいろなところに出かけたりもするので、職員が持つ知識が活かされるシーンは絶対にあります。たとえば、いろいろなジャンルの音楽を知っている職員がいれば、利用者さんも新しい経験ができますよね。ここでは、福祉の知識だけを求めてはいません。場合によっては、「福祉はこうあるべき」という考えがないほうがいい場合もあります。利用者さんも私たちと同じように楽しく生活したい、いろいろなことを経験したいと思っています。「無理だよ」と言うよりも、「こんなことも楽しいよ」と言える人のほうがいいこともあるんです。福祉に関わったことがない方でも、ぜひ一緒に働きましょう。


休日の過ごし方


休日はどんなふうに過ごしていますか?


子どものことが優先ですね。子どもがソフトボールをやっているので練習の当番や試合に行ったり、学童や子ども会の行事があったりと。まずそこの予定が入ってきます。時期によっては毎週のように何かしらイベントがありますね。それから1週間分の食材の買い出しをして、平日にできていない家事をして。ただ、予定がぎっしり詰まっていると疲れちゃうので、のんびりした時間もほしいですね。

趣味やストレスの発散方法を教えてください。

買い出しのときに本屋さんや雑貨屋さんに立ち寄るのがちょっとした楽しみです。できるだけ見るだけで、あんまり買わないようにしています。子どもたちが大きくなってきたので、何かしたいな、という気持ちはあるんですけれど。

たとえばどんなことにトライしてみたいですか?

運動をしないといけないなと考えていて、ヨガをやりたいと思っています。でも通うとなるとなかなか予定が立てづらくて。あとは読書ですね。ゆっくり本を読む時間が作れなかったんですが、子どもが読書好きで、その影響で本を読もうかなと。今は事務所にある本を借りて読んでいますが、今後は物語系の本も読みたいですね。


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