Interview
もう一度ここで働きたい
日中活動センター さくらそう
支援員・ヘルパー
2008年 入社
「もう一度ここで働きたい!」出産を経て復帰
野の花舎で働くことになった経緯を教えてください。
大学を卒業後、こことは別の福祉施設で働いていたんですが、体調を崩してしまって。そんなとき、野の花舎を知っている方から「ここはとってもいいよ」と教えていただき、その方の紹介で入りました。その後、出産で一度退職したんですけれど、子どもたちを保育園に預けて働こうと思ったとき、「もう一度ここで働きたいです」とお願いして、今は週に3日ほど出勤しています。
もう一度ここで働きたいと思った理由を教えてください。
子どもが熱を出したとかで急にお休みしなくてはならないときのことを考えると、違う職種や新しい職場で働くのは難しいかな、と思ったんです。融通がきく職場ってなかなかないですよね。ここには、そういうことがお願いしやすい雰囲気があるんです。再就職を考えているときに「戻ってきたら?」と言ってくださる職員さんもいて。それで、仕事を始めるときにまず、ここで人を募集しているかどうかを伺ったんです。
利用者さんのペースに合わせた支援ができる
野の花舎のいいところはどんなところですか?
ここでは時間の流れがゆったりしているな、と感じます。こちらから利用者さんに「あれをして、次はこれをやって」と働きかけるばかりじゃなく、利用者さんのペースに合わせた支援ができていると思います。活動内容も、利用者さんの体調に合わせて臨機応変に変えられる。そういう柔軟な点がすごくいいですね。予定を決めてその通りに進めることが全てじゃない、ということに気づかせてもらいました。
もう一度働きたいと思える魅力はどんな部分ですか?
ここは利用者さんも働いている人もすごくやさしいんです。困ったことがあっても相談しやすくて。それに、自分のペースも大事にできます。職員に元気がない施設だと、どことなく空気が重苦しいんですよね。職員が明るいから、利用者さんにもそれが伝わっているのかな、ということはとても感じます。のんびりしているようで、それが利用者さんにとっても心地いい空間になっているのかなとも思えます。
福祉を学ぶために地方から愛知へ
福祉の道を志したきっかけを教えてください。
中学・高校のころからボランティア活動をしていて、施設訪問などを経験しました。いずれは人の役に立てる仕事に就きたいなと思って福祉系の大学に進学しました。それで愛知県に来たんです。進学先は両親にほとんど相談せずに決めちゃいました。あとから知ったのですが、両親にしてみれば突然のことだったので困ったみたいです。でも「人の役に立ちたいという夢があるなら」と応援してくれました。大学では福祉系のサークルに入り、障害者の方の余暇活動を支援する「青年学級」に関わりました。そこで障害を持つ方との縁が生まれて、「障害を持つ方と関わっていく仕事を続けたいな」と思ったんです。サークルでは障害が重い方との交流はあまりなかったため、今度は重い障害を持った方たちの支援をしてみたいと思い、就職活動は重度の方の施設にしぼりました。
重度の方の支援をしたいと思ったのにはどんな理由が?
ことばで話ができる方であれば、言いたいことはすぐに伝わります。でも、障害の重い方は、たくさんコミュニケーションを取らないと、こちらの思いも伝わらないし、相手の思いをくみ取ることもできません。そういう難しいところにやりがいを感じました。気持ちが通うまで深く関わることで、お互いに通じ合うようになりたいなと、そんなふうに思ったのがきっかけですね。
実際に働いてみていかがでしたか?
最初はわからないことだらけでした。戸惑うことも多かったです。それでも、丁寧に接しているうちに少しずつ意思や気持ちをくみ取れるようになってきましたね。それを繰り返していくと、「こういう思いがあってこういう行動をしてたんだな」とわかることも増えました。経験や関わってきた時間がないと難しい部分もあるんですけれど、根気よく寄り添って話を聞いて、耳を傾けて。その繰り返しですね。
これまでにあった忘れられないことや、よかったと思えたことを教えてください。
特別なできごとというよりも、日々のなかにありますね。普段「こう思ってるのかな?」としっくりこなかったのが、ちょっとしたときにすごく話しかけてもらえたり返事をしてもらえたり。「こういうことを伝えたいんだな」というのがわかった瞬間は本当にうれしいです。
つらかったことはありますか?
支援には「こうすれば絶対に大丈夫」という答えはありません。正解がないので、「こうすればよかったかな」「こう聞けばよかったかな」と後悔することはよくあります。利用者さんの気分に合わせて変えていかなければならない部分はありますし、固定観念でやってはいけないことも多々あります。うまくできないときは落ち込みます。でも、それを引きずらずに、反省しながらも「次はどうするのがいいかな」と考える毎日ですね。
困ったときに相談できる環境がありがたい
仕事で困ったときにはどんなふうに解決していますか?
先輩の職員が相談に乗ってくれます。困ったときに溜め込むと辛くなっちゃいますから、助けてほしいときは助けてほしいといえる環境が大事じゃないかと。その点、ここではすぐ相談に乗ってもらえるので、一人で抱え込まなくていいのがありがたいですね。
そういう部分が野の花舎の魅力なんでしょうか?
すばらしい人が多いんですよ。「介助行きます」と言うよりも早くサッと入ったり、みんなに話しかけて盛り上げたり。本当にあたたかい人が多くて、それは誇れるところだと思います。私自身は盛り上げるのがあまり上手ではないんですけれど、支援は多種多様でいいと思うんです。目指す方向は一緒のほうがいいですけれど、アプローチの方法は人それぞれでいいんじゃないかと。利用者さんにもいろいろなタイプの方がいますから。私はガツガツ行くタイプではありませんが、それを受け入れてくれる方がいればいいな、と。
プライベートでは二児の母として奮闘中
お子さんはおいくつですか?
上の子が小学生、下の子が保育園に通っています。仕事を再開してからは、近くに住んでいる義母にいろいろと助けてもらっています。心配で、休憩中は子どもの写真を見て「大丈夫かな!?」、「元気でやっているかな!?」と考えています。
お子さんが小さいと、急に休まないといけないこともあると思います。
多々あります。ここに再就職するときに2人とも保育園に預けたんですが、最初のうちは下の子が熱を出すと上の子も同じように熱を出すようなことが本当に多くて。一家でインフルエンザにかかったこともありました。申し訳ないですし、心苦しい思いはあるんですけれど、「大丈夫ですか」と言ってくださる方もいて救われています。急に遅刻や早退をしなくてはならないときもあるんですけれど、そういうこともお願いしやすいです。本当にありがたいですね。
ここで長く働きたいと思いますか?
職員さんからも「細く長く働いてね」と言っていただいて。根を詰めすぎると働く意欲もなくなってしまうでしょうから、無理せず自分のペースを保ちながらがんばりたいなと。自分の体も大事にしないと介助は難しいです。そのあたりのバランスを取りながら、長く働いていきたいですね。
1日のスケジュール
9:30 | 出勤 出勤したら利用者さんの体調をチェックしたり、排せつ介助に入ったりします。週1日は送迎にも行きます。また、曜日によってはヘルパーの仕事をしてから出勤することも。 |
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10:30 | 朝の会 全員でその日のスケジュールやチェック事項を確認します。 |
10:40 | 午前の活動 「さくらそう」では3グループに分かれ、それぞれに合わせた活動をします。主な活動は創作活動や運動、買い物など。グループ合同でレクリエーションをすることもあります。 |
12:00 | 昼食 利用者さんの介助をしながら一緒に昼食をとります。 |
13:00 | 休憩 利用者さんに横になって体を休めてもらいます。見守りながら必要に応じて介助をします。このときに職員も前半と後半に分かれて休憩に入ります。 |
14:00 | 午後の活動 午後は20分から30分ほどの短い活動をします。 |
14:30 | 水分補給 利用者さんがお茶を飲む時間です。介助に入ったり、忘れものがないかチェックしたりします。 |
15:15 | 帰りの会 利用者さん一人ひとりの1日の様子を聞き、確認事項の最終チェックをします。 |
15:30 | 退勤 利用者さんが帰るのに合わせて退勤し、16:00頃までに保育園へ子どもを迎えに行きます。会議のある日は17:00頃まで残ります。 |
ぜひ一歩踏み出して
これから入社される方に向けてメッセージをお願いします。
みなさんに寄り添って、同じ立場で過ごすことができる人ならすぐに打ち解けられると思います。心温かい方ばかりなので。興味がある方には、ぜひ一歩踏み出していただけるとうれしいですね。
休日の過ごし方
お仕事のない日の過ごし方を教えてください。
平日は銀行へ行ったり、子どもたちのいない間に掃除をしたりと、家事や用事を済ませています。子どもが生まれてからは自分の自由な時間を持つことは少なくなりましたね。休日は子どもと公園で遊んだり、家族4人でショッピングに出かけたりしています。
ストレス解消法は?
コーヒーを飲むひとときかな。夫とは毎日、子どもたちが寝静まったあとにティータイムを設けてるんですよ。お茶をしてお菓子を食べながら、子どものことなどいろいろな話をします。そういう時間がもてるくらい余裕があるのが理想ですね。疲れがたまってくるとイライラしてしまって、子どもにやさしくできなくて、反省することもあります。
それと、夫も同業者なので2人で自分たちの目指していることや「支援ってこういうことだよね」といった話をすることもあります。モヤモヤしているときに「自分たちはこういう考えでこの仕事を続けてるんだよね」と方向性を再確認しあえる相手でもあります。「こういうところがいけなかったのかな」と反省しあうことも。職場は違いますが、向かうべき方向は一緒なので。